3.4 パタン・ランゲージの応用と他分野への展開
パタン・ランゲージ(PL)には、クリストファー・アレクサンダーによる"A Pattern Language"と、PLの理論から影響を受けた様々な他のPLが存在する。アレクサンダーは、PLは地域やコミュニティごとに個別に存在するべきものであり、自らのPLを創造するきっかけとなることを意図していた。
3.4.1 パタン・ランゲージの建築・まちづくり領域における展開
PLは、まちづくりや景観形成においてガイドラインとして活用されてきた。日本では、川越の「町づくり規範」や真鶴の「美の条例」などが代表例である。
3.4.2 パタン・ランゲージのソフトウェア分野への展開
1990年代以降、ソフトウェア分野でPLは知識共有の方法論として注目され、積極的に応用されるようになった。Gammaによるオブジェクト指向のデザインパターンや、組織体制や開発プロセスをまとめたメタレベルのPLなどが生まれた。近年では、慶応義塾大学の井庭崇研究室によって、人間の行為や協働に着目した創造性を支援するラーニングパターンやプロジェクトパターンなどのPLも開発されている。